2019年10月21日

何色の便が出たら「胃がん」を疑うべきだと思いますか?


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 便は健康のバロメーターと言われますが、あなたは便の色が消化管出血の部位と関係していることをご存じでしょうか?

 今日は、便の色から見た消化管出血の部位の推定について、ご紹介したいと思います。

◆便は健康のバロメーター
 便通と体調がある程度リンクすることは、私達は経験的に知っていますし、便は健康のバロメーターとも言われます。快食・快便という言葉もあるように、すっきり便通がついた日は気持ちがよいものですが、その一方で下痢や便秘の日は、なんとなく気分も晴れません。

 便と健康という観点から言えば、胃潰瘍や大腸がんなど、消化管出血を起こす疾患では、便の色は大きく変化します。

◆血液の色と鉄分
 血液中には、ヘモグロビン(血色素)と呼ばれる物質があります。

 これは、ポルフィリン骨格という構造の中に、鉄分を含んだもので、血液が体の隅々まで効率よく酸素を運搬し、受け渡しをするために欠かせないものです。

 通常、血管内には、空気はありませんが、鉄は、空気に触れると酸化、すなわち錆びていきます。鉄が錆びると、時間が経つにつれて黒く変化していきます。

 ちょうど、膝小僧をすりむいたときに、最初に出てくる血がかさぶたになりますが、最初は、赤かった血液が、少しずつ暗い赤色に変化して、最後は、黒いかさぶたになっていきます。このことを思い出しながら考えると、便の色と消化管出血の部位との関連性を考えることができます。

◆便の色が黒いほど、口に近い部位からの出血
 便の色が黒いということは、出血してからの時間が長いことを示しています。逆に肛門に近いほど、便の色は赤くなります。

 たとえば、黒い便は、どう考えるとよいでしょうか。血が黒くなっているということは、それだけ、出血してからの時間が長いということになります。

 つまり、食道がんや胃がん、胃潰瘍や十二指腸潰瘍など、いわゆる上部消化管と呼ばれる領域から出血した場合には、便の色はタール便とも呼ばれる真っ黒な色になります。

 その一方で、結腸がんや直腸がんなど肛門に近い部位から出血している時には、それほど時間を経ずに排出されるので、赤黒い血便になります。ちなみに、肛門周囲から出血する痔の場合には、出血してすぐなので鮮血と呼ばれる鼻血のように真っ赤な色がつきます。
◆便の色が気になったらどうしたらいい?
 便の色で推測はできますが、自己判断は禁物です。必ず、医師の診察を受けるようにして下さい。このように、便の色と出血の部位とは、比較的簡単な知識で推測することが可能です。

 食事の時にしみる感じや、胃もたれ、むかつきなら、上部消化管の症状、腹痛や下痢気味、極端な便秘気味などなら下部消化管の症状であることが多いので、これらと便の色とを勘案しながら、私達医師も体の中で何が起こっているのかを考えていきます。

 とはいえ、推測しただけでは全く何も治療にはならないので、もし便の色が気になったら、是非、お早めにお近くの内科を受診されることを、強くおススメします。

 いかがですか?

 便の色で消化器系の病気が推測できるということを頭の隅に覚えておけば、いざという時の心強い味方になるのではないでしょうか。

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ラベル:胃がん 便
posted by 圭ちゃん at 18:55| Comment(0) | 病気 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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